今はポカラに居ます.ところで,カトマンドゥでお世話になっているお宅が,祖父母,兄夫婦,弟夫婦,兄夫婦の子供(2人姉妹),弟夫婦の子供(2人姉妹),犬2匹,の計10人+2匹という家族構成.核家族生まれの私からすると驚愕の構成員の数になってます.さらに日常生活の構成員として,丁稚みたいな男の人に加えて,パートでやってくる洗濯おばさんとか居ますからね.
で,兄夫婦と弟夫婦の下の娘がそれぞれ生後9ヶ月と3ヶ月なんですが,彼女らに私のことを,「ほぅら,おじさんだよー」って紹介するんですね.別に良いんですけど.

話は変わって先日,髪を切ったんですよね.別におじさん呼ばわりされたからじゃないんですけど,そういうんじゃ全然ないんですけど,髪を切ったんですよね.

最近私は日本から持って来た本も全部読んじゃって,日本語に飢えること甚だしくてですね.ネットカフェに行っちゃあ,Numeriの過去日記なんかをダウンロードしてむさぼり読んでました.で,Numeriの過去日記で,この前散髪とは登山だ,みたいな文章を読んで,なるほどそうだなぁ,と感じ入った訳です.
思い起こせば,私もこれまでの人生で,幾多の山を征服して参りました.母親に風呂場で切ってもらう家散髪から始まって,

家の近くの床屋
家から自転車で20分程の床屋
ツーブロックに定評があると言う市内の床屋
家の近くのヘアサロン
街中のヘアサロン
友達の紹介を経ての評判のヘアサロン
自分で切る友人のも切る
大通りからちょっと入った所にある1日何人様限定みたいなヘアサロン
友人の美容師

それぞれの散髪の風景に思いを馳せて,遠い目をしてしまう程です.髪型の注文スタイルなんかも変遷していて,最初は「ツーブロック!」みたいな髪型を叫ぶのみから,高校生くらいでヘアカタログを見て「こんな感じで」って注文,その後は「サイドを○cmくらいで,トップは○cm,モミアゲは長めに残して下さい」とか髪の生え方についての注意なんてのも交えつつ事細かに横文字を駆使しつつ注文,現在なんて「お任せで」ですからね.王侯貴族のように余裕たっぷりでふんぞりかえってます.正直ね,もうあらかた国内の目ぼしい山は征服し尽くしたんじゃないか私よ,って勢いなんですよ.
こうなってくると高校生Jリーガーのごとく目は世界に向く訳です.これについては私にはちょっと思う所があってですね.以前,私はバックパック一つ抱えて世界を一周したんですけど,記憶が確かならその時ほとんど髪切ってないんですよ.坊主で出発して7ヶ月間ほとんど髪切ってない.
その理由ってのが,母国語でない言語でちゃんと注文出来る気がしなかった,というものでした.その頃の私の散髪スタイルは,上のリストで言うと,「友達の紹介を経ての評判のヘアサロン」で,「横文字を駆使した事細かな注文」をする段階で,私の度胸が,そのスタイルを異国の地で実現出来しようとさせなかったんです.
なので,一度旅先で会った日本人の美容師さんに髪切ってもらったことはあるんですけど,そんなんあれじゃないですか.異国で髪切ったってことにならないじゃないですか.邪道じゃないですか.なんにもやり遂げてない.
コミュニケーション能力なんて大して変わってないんですけど,国内のめぼしい山は征服し尽くした今の私なら,「お任せで」とか言い放てる今の私なら,世界でも通用するんじゃないか.しかも,ネパールなんてあれですからね,エベレストの国ですからね.ある意味ここで髪を切り遂げれば世界の山を征服したと言っても過言ではない.

ということで,ホテルのマネージャーの兄ちゃんおすすめのヘアサロン(=兄ちゃんの行きつけの店)である「エレガント」を教えてもらって,行ってきました.
散髪前の私の髪型はと言いますと,

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このようなものでした.ちらちら覗く白髪に涙を禁じ得ないとか,襟足が意味不明に分かれ過ぎとか,そういうことはこの際胸の奥にしまってですね,「ポロシャツと相まってYO-KINGみたい!」とかそういう感想のみ口に出してやって下さい.とりあえずこんなんでした.方針としては「短く」「お任せ」をキーワードにして臨みました.店の外観はこんな感じ.

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『ELEGANT BARBER SHOP』


店の前まで来るとすでに2人ほどお客が居て散髪中,手があいている人が居なさそうだったんですが,「カットカット」とか言ってたら奥から,若造がでて来て,「ナマステ」.どうやら彼が私を担当するようです.

店内は,長方形の室内に,長い方の二辺の壁にばーっと鏡が貼ってあって,その下にテーブルが張り出していて,さらにその前にやっすい飲み屋のカウンターに置いてあるような木製の椅子が4つ.そんな感じでした.
この辺までの様子は外から見えていたので,私も落ち着いてふんぞりかえっていました.がしかし,圧巻だったのが,鏡の上に貼ってあったサンプル写真.もう全部リーゼント.
今日写真とらせてもらおうとエレガントに行ったら,そのサンプル写真がなくなっちゃってて,なんだよ,ポリシー捨てたのか,と説教してやりたい気分になったりもしたんですが,とにかくリーゼント率100%で,オーソドックスなものから紫とかのメッシュが入ってるものまでよりどりみどり.もし私が牢屋に入っていたら,リーゼントが引っかかって脱獄に失敗しそうなくらいの気合いの入ったリーゼントの目白押し.一生分のリーゼントの写真をあの時みたんでないか.
それを見た瞬間は,すわ謀られたか!くらい思ったんですが,落ち着いて周りを見回すとメッシュの入ったリーゼント頭,もしくはそれを目指していると推察される頭なんて,私の担当の若造のそれくらいだったので,なんとか平静を取り戻す事ができました.で,サンプル写真を出来るだけ視界に入れないようにしながら,

「短く.お任せで」

と注文しましたよ.したりましたよ.

<つづく>
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