今日も今日とて,日本より若干近い感じがするネパールの太陽のもと,うろうろしている訳ですが.

 先日ですね,一日の仕事を終え,ネットカフェに行ってメールチェックなどを終えた後,レストランで晩ご飯を待っていたところ,知らない電話番号から僕の携帯に電話がかかって来ました.

実は私は,ネパールで仕事をするにあたって,こっちで新しく携帯を契約して以来,嬉しくなっちゃって会う人会う人に名刺とともに携帯の番号渡しまくってるんです.なので,滞在1ヶ月半ほどにしてすでに自分の番号がどこまで広がっているのかさっぱり分からないのですが,とにかく知らない番号からの着信.

「ハロー?」

「あー.ゴニョゴニョ.●●(私の名前)さんですか?」

「はいはい」

「ああ,はじめまして.○○のタケシ(仮名)と申します」

 ネパールの方なんですが,タケシ(仮名)が流暢な日本語で伝えて来たのは,僕が今滞在しているポカラの,滞在先からもほど近いホテルの名前で,ちらっと中を見たこともある所でした.

「あー.○○の.どうもどうも.はじめまして.●●です.」

「私ね,今あなたが計画しているビジネスについて,幾つか問題があるので,それをお知らせしたくて電話しました.」

 なんか,こう,すごいですよね.僕なんてこの歳になるまでまともに働いたの2年未満,みたいな世が世なら石投げられても仕方ない人間なんですが,さすがにどうかと思いました.でも,携帯番号ばらまいてるのには,使える情報も使えない情報もとりあえず出来る限り集めたいって理由もあったので,なんとなく話を聞いてみる事に.

「問題ですか.それはそれは.」

「はい.2,3問題がありますよ.●●さんは今どこに居ますか?」

「△△に居ますよ.今そこに泊まっているんです.」

「そうですか.今私は○○にいます.それで,明日にはカトマンドゥに行かないといけないので,まだ会ったことないけど,あれだったらこれからここまで来て30分くらい話しても良いんじゃない?」

 流暢とはいえ,ネイティブではないので仕方がないのは重々承知しているんですけど,なんかこうカチンとくる言い回しで誘われました.

「いや,今,僕レストランで料理が来るの待ってるんですよね.」

「今どこに居ますか」

 この時点で,カチンに加えて,さっき言ったじゃねぇかくっそーとも思うんですが,僕もにこやかに「イエスイエス.イッツグッド」って言いながら2分後に同じ事を聞くとかそこいら中でしてるので,ぐっと我慢.

「△△ですよ.」

「じゃあ今すぐ私行きますよ.」

「本当ですか.ありがとうございます.レストランに居るんで.」

「じゃあまた後で」

「はーい」

電話を切って,レストランのウェイターの若者と,「なんか知らない人から電話が来た,これから会いに来るってよ.」「なんでー?」「知らんがな」とか話しながら待っていたら,やって来たタケシ(仮名)が,最大限好意的に見てもちっちゃいジャイアン.
で,「はじめまして」と挨拶しながらここでも携帯番号入りの名刺を渡しつつ,彼の話を聞いたんですが,「私は,今,~~と,~~と,~~のビジネスをやっていて,すごい忙しい.でも,日本の関係の商売をしているから,義務と思って親切心からあなたに注意しに来た」からはじまって,「私は大学で英語を教えていたことがあるので,英語がすごい上手い」,「日本の旅行会社で働いていて,日本の◇◇(すごい大きい企業)から仕事をして欲しいと言う話があったけど,断った」とか,自己紹介と思いきや,なぜか自慢話を延々と聞かされる羽目に.注意しに来たってどういうことだって思う以上に,どうだすごいだろうみたいな流し目を挟みつつ聞かされるのが非常に心地悪い.つうか最初に言ってた問題はどこいったんだ.

いや,私だって,初対面の人に対して最初から先入観をもって向かうのは良くないことは重々承知しております.本当に親切心から忠告に来てくれたのかもしれないし,ネパールの人って言うのは,自己紹介の時に微に入り細に穿って自慢気に話すものなのかもしれない.そんな人今初めて会いましたけども.
でもね,世が世なら石投げられても仕方ないとは言え,私だって在りし日は世界を一周した男ですよ.インドで親しげに話しかけて来た男に「彼女に銀のネックレスを買いたいんだ!」とか言ってるうちに変な店に連れて行かれて相場の20倍くらいの値段でネックレス買わされた猛者ですよ.その2年後にポーランドで親しげに話しかけて来た2人の男と飲みに行って,「いやー,ポーランドのラトにはサカつく(プロサッカークラブをつくろうというゲーム)でお世話になったんだよ!」とかへべれけになって話している間に腰の貴重品入れから300ドル盗まれたほどの剛の者ですよ.過去の経験からなんとなく分かるんですよね.ああ,このちっこいジャイアンは私を騙そうとしている,そこまでいかなくても,自分に都合の良い事ばっかり僕に吹き込もうとしている.だって,どこで私の携帯番号知ったのか聞いたら,道歩いてたら教えてもらったとか言うんですよ.

 それで,「そこの学校で1800人中1番になって大学で英語を教える事になりました」ってまだ自慢話を続けてるタケシ(仮名)にお願いして,使えるか使えないか分からないけど,使えないんだろうけど,情報をもらおうと,警戒しながらも本題に入ってもらう事に.

「実は,私の知り合いの,国会議員の秘書が言うには~という計画があります」

もう,聞きながら焼きそば食ってました.確かに,ネパールってのは人口が少ないってのと,他民族国家で,さらにその中でカーストが細かく分かれていることから,日本以上にそれぞれの排他的社会集団の中で緊密に連絡をとってみんな生きているっていう様式があるみたいです.土地の取引とかでも,公の市場みたいのはほとんど存在していなくて,水面下での知り合い同士の話し合いでどんどん売り買いが行われている.
だから,彼がなんでそんな事を知っているのかってのは特に不信に思う理由にはならないんですけど,基本的な事情はどうやら日本と同じなんです.つまり,そういう「実は」とか言って,なんか権威がありそうな出所をアピールしつつ,初対面の人間に明かされる話に限って,突っ込んでみるとすぐしどろもどろになる.面白かったんでバラしちゃうと,なんかこの辺一帯の建物全部ぶっ壊して公園つくって,世界遺産(自然遺産)に登録するんだ!とか言っててですね.建物全部ぶっ壊して公園つくって自然遺産てどういう事なんですかって聞くだけで不機嫌そうに黙る彼を見ながら,どこも一緒だなー,と何故かついてきたケチャップを焼きそばにかけてました.
「なるほど,それはこっちでも確認してみます.それで,残りの問題は?」って聞いたら,「もうないです」とか言うし.お前さっきその口で2,3問題があるとか深刻そうに言ったんちゃうんか.

「マオイストが政府から離脱したから,きっと軍事施設を襲撃する.ホテルレイクサイドは駐屯地からも近いから危ない」などと,ひたすらに私の不安を煽ろうとするタケシ(仮名)に,段々腹が立ってきます.しかし,ここでアホか,馬鹿か,山に帰れとか言って,怖い人達と誘いあって僕を拉致したまま7000mを超える山中に帰郷,とか,そこまでいかなくても怖い人達にある事ない事吹き込んで私をえらい目に遭わそうなどと企まれたら困るので,にこやかにアドバイスをありがとうって言いながらお別れしました.
なにより,ここまで言っといてなんですが,彼が本当に善意の人であった時に申し訳ない.まぁ,その時には私が携わっている仕事も建物もろともぶっ壊されて自然遺産になっていたり,マオイストの襲撃の煽りで破壊されていると思うので,そんな破天荒な結末を迎えることで報いは受けるんですけども.

嬉しそうにネックレスを持ち帰って友達のインド人に冷笑で迎えられた頃の私なら,300ドル取られた上に男たちに逃げられてレストランのお金全部払ってさらに酒に飲まれてストロベリーなんとかってファンシーな名前の宿のトイレで食べたもの全部吐いていた頃の私なら,今日の彼が言った事を全部真に受けて,取り乱した挙句えらいことになっていたかもしれない.
あの頃からなにも変わっていない気がしていたけれど,少しは成長したのかもしれないな,などと感慨に耽っていたら,またタケシ(仮名)から電話がかかって来て,

「日本にお金を送りたいんだけど,手数料がかかって大変です.●●(私)さんも商売にお金が居るでしょう?私が●●さんにお金を払うので,日本の会社から▲▲さんの口座にお金を振り込んでもらえませんか」

 とか言ってました.もうNumeriの過去日記読んで寝ます.
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